プレイングマネージャーの育成❺

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー■プレイングマネージャーが良いチームを創る為に・・・「繋がる」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今日は「コミュニケーションの生産性」を向上させる為の

「繋がる」「本音で対話する」についてお話しします。

ひと世代前は「ヒト、モノ、カネ、情報」が

会社経営を考える上で必要な資産という風に

言われてきました。

そして、ここ数年で良く言われている新しい資産が

「ソーシャルキャピタル」(社会関係性資産)です。

「繋がり」を強く、多く持っているかという事が

規模拡大や利益増大に結び付き、

会社のパフォーマンスを考えて行く上でも

「重要」になるという事です。

ソーシャルと言う言葉から連想されるようにSNSは私達にとって

切っても切れない大切なサービスになっていますし、

GAFAを始めとして、これを大きく保有している企業は

世界の経済を牛耳っていると言っても過言ではないでしょう。

それだけ、私達は繋がりを求め、

依存していると言う事の裏返しでもあります。

そして、この「繋がり」はマーケティングの面だけでなく、

組織運営においても大きな鍵となっています。

では、組織における「繋がり」とは何か? という事ですが、

私は「共同体意識」であると考えています。

ここで言う共同体意識とは

「同じ理念の元、その実現を目指し、

切磋琢磨する仲間であるという思い」です。

言い換えると、「チームのあるべき姿を

仲間と共に心から実現したいと思えるような関係性」を言います。

これを築く事がなぜ大切なのか?は

改めて説明するまでもないと思いますが、

敢えて言うなら、

一人一人が主体的にチームに関わるようになるので

パフォーマンスが圧倒的に違ってくるからです。

指示命令で動く組織との違いを考えていただくと

イメージしやすいのではないかと思います。

では、共同体意識をどのように築くかですが、

私は以下のようなステップを踏む事をお勧めしています。

❶チーム内で会社の経営理念を深堀する

・誰の為なのか?

・何のために存在するのか?

・何を実現したいのか

・どうやって実現するのか?

・それはどうしてなのか?

❷経営理念から自分たちのチームはどうあるべきか?

自分はどうあるべきか?を考える

❸あるべき姿と現状のギャップを洗い出す=問題

❹問題を課題化する

❺課題をアクションに落とし込む(具体的計測可能)

❻アクションと成果を振り返る➡❸に戻って❻までを繰り返す

まず、経営理念から考える理由は、

昨今、「答えのない時代」と言われるようになり、

自分達の判断基準として

「経営理念」の重要度が

以前と比べて格段に増してきた事によります。

時代に勢いがあったシンプルな時代は

トップダウンで良かったのですが、

今はそうはいきません。

だれも正解がわからないので

「一人一人が考え、自分達でどうするのか?」を

考えて、行動に移す事が求められています。


ただし、経営理念は抽象度の高い言葉や

あいまいな表現を使って構成されている場合が多いので

そもそもどういう意味なのか?

何を目指しているのかを「議論」し、

自分たちなりに定義付けする

つまり、共通言語化をする必要があります。


これも正解はありませんので

経営理念を自分たちなりに

解釈して、チームとして、個人として

どの様に実現に向かって行くかを

言葉にすれば良いのですが、


その際にチームメンバー自身の「ありたい姿」や「ビジョン」を

考えておいてもらえると

なお一層、このワークが活きたものになります。


それは、生活の為という事以外で

会社で働く目的が見いだせると

義務感や強制感に支配されることなく、

主体的に活動できるようになるからです。

そして、取り組みに躍動感を与えるために

実はもうひとつ必要な事があります。

それは「本音で話せる」環境創りです。

チームに関わる全員が平等に

自分の意見を話す機会がないと

チーム内で意識ギャップが大きくなり、

義務感や強制感が漂うチーム運営になってしまうからです。

本音を話すという事は

関係を壊すリスクがある為

そう簡単にできる事ではありません。

なので、

全員が意見を平等に言える環境を

創る為に「ひと工夫」必要なんです。

具体的にどうするかですが、

例えば最初は

付箋を使って、全員分の意見を壁に貼りだし

書いた人が順番に発表するようにすると

良いです。

いきなり、口頭で意見を求めるよりも

自分の意見を言いやすくなります。

少々手間がかかりますが、

チームメンバーが

こういうプロセスを踏んで

チームについて、

自分について

考えられるようになると

その後のチーム運営は

ものすごく楽になります。

今日は「繋がり」をどう創るか?について

お話ししました。

次回は「コーチング能力」についてお話ししたいと思います。

プレイングマネージャーの育成❹

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■行動を認める

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前回は部下の「存在を認める」と言うお話をしました。

今回は、「行動を認める」についてお話ししたいと思います。

まず、どうして「行動を認める」という事が

大切なのか?と言う事ですが、

それは「成長」に大きくかかわってくるからなんです。

「成長」とは何か?をシンプルに表現すると

私は、

❶わからなかったことがわかるようになる(知識、視野、視座、感情、思考)

❷出来なかったことが出来るようになる(スキル、知識、思考)

❸出来ていたことがもっと旨くなる(スキル、知識、思考)

の3つであると思っています。

この3つは何かしら、行動が伴う事で初めて確認できる事です。

なので、部下の行動を注意深く「観察」する必要があるのです。

観察と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、

部下がいらっしゃる方でしたら、

部下に対し、

「おっ!!」と思う事は少なからずあるはずです。

これは、私がコーチングや研修において

多くのマネージャーの方々に関わらせていただいた時に

いつも感じることで

グループワークなどで対話の機会を作ると

意外なほど多く出てきます。

なので、思ったより「部下の事を良く見ているんだな」というのが

私のマネージャーさん達に対する印象です。

ただし、ただし・・・・・「次の一歩」がないんです。

それは部下に「伝える」という事です。

せっかく、部下の変化をキャッチできているのに

「伝えない」のは非常にもったいない。

極端な事を言うと

うまく「変化をキャッチ」出来ていなかったとしても

例え、それが「思い過ごし」であったとしても

「伝える」事の方が大切です。

なぜなら、部下は上司からどう思われているのか?

について、とても関心があるからです。

何も伝えなければ、

部下は「上司は自分のことをどう思っているのだろう?」

「認めてもらえているのだろうか?」

疑心暗鬼になってしまいます。

そうすると、いつまでたっても

心理的な距離は縮まらず、

警戒心から、自己防衛本能が働き、

余計な事はやらないでおこうと考え、

結果、成長も鈍ってしまいます。

なので、気が付いたら、

感じた事をそのまま伝えるという事に

慣れて欲しいのです。

ちなみに、これは部下に対してだけでなく、

子供やパートナーに対しても有効です。

(なおの事、できないですかね(笑))


それから、

伝える上での大切なポイントがあります。

それは

❶鮮度

❷事実を伝える

❸アイメッセージ

の3つです。


まず❶の鮮度ですが、


伝える時は「新鮮なうちに」と言うのが


大原則です。



気が付いたら、早め伝えないと

お互いに「忘れてしまう」からです。

これは、注意する時も同様です。

後で言われると「心当たりがなくなってゆく」ので

素直に相手の言葉を聴けなくなりがちです。

❷❸は特に「褒めるのが苦手」と言う方にお勧めです。

「やり方変えてみたんだ?」

「工夫したんだね。良いと思うよ」

と言うように

変化を捉えて、そのままを言い、


(私は)良いと思うよと伝える。

たった、それだけです。

それでも、直接本人に口頭で伝えるのは・・・・。

と言う方は「スラック」等のチャットを使って

伝えるのもありですし、


直接本人に言うのではなく

「周囲の人に伝える」のも有効です。

これはまた別に機会に詳しくお話ししますが、

直接、言われるよりも

「●●さん、君の事褒めてたよ~」

などと

間接的に言われた方がうれしいという人も

少なからずいるからです。

基本的には「直接伝える」という事をお勧めしますが、

どうしても難しいと言う方は、

自分にあったやり方で

部下の行動変化を認めてあげてください。

できれば、これも習慣づけする為に

1日1回「伝える」を目標にすると「なお可」です。

最初の内は、何を伝えたら良いか見つからず、

苦慮するかもしれませんが、

コツを掴むとできるようになります。

コツを掴むには

気のせいでも良い、間違っても良い

と言う風に考え、ひたすら「感じた事を伝える」事が重要です。

これは、私がファミレスの店長時代に

実行したことでもあり、その効果は実証済みです。

日々の声掛けが、

後で大きな喜びに変わります。

是非、実行してみて下さい。

次回は「コミュニケーションの生産性」の

2つ目テーマ「繋がる」について

お話しします。

プレイングマネージャーの育成❷


こんにちは。

カンパニーコーチの青木栄明です。

北京オリンピックが始まりましたね。

様残な問題を抱えて「平和の祭典」であるオリンピックが

中国で開催されるところに違和感を感じますが、

選手たちの頑張りに敬意を表し、

あまり深く考えずに応援しようと思っています。

ただし、家族でオリンピックに興味があるのは

「私だけ」という事で

ゲームやYOUTUBEに夢中な子供たちを見ると

一緒に盛り上がれない所に

寂しさを感じる今日この頃です。

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■プレイングマネージャーがリーダー能力を身に付ける上で鍵となるもの

前回、様々な制約がある中、

プレイングマネージャーがリーダー能力を身に付ける上で

5つのポイントが鍵になるとお伝えしました。

今回は一番目

「コミュニケーションの生産性」についてお話したいと思います。

現在、コロナ禍の中で部下とどのようにコミュニケ―ションを取って行ったらよいのか?

悩んでいるマネージャーの方は多いのではないかと思います。

理由はいくつか挙げられますが、

概ね以下の通りではないかと思います。

❶価値観の変化

部下世代(特に20代)の価値観が自分達と違うことによって、どう関わったら良いか?

何を話したら良いか?がわからなくなっている

➡部下世代を取り巻く、相対的な人間関係の希薄化が背景にある(反応が微妙であったり、本心が読めない)

❷時間的制約

プライベートと仕事を明確に分けたいという価値観を持つ人が増えており、なかなかアフター5や休日などオフタイムのお誘いが出来ない

➡仕事(会社)とプライベートを明確に分けたいという価値観の定着

❸コミュニケーション手段の多様化

一昔前は「直接対話」「電話」がコミュニケーションの手段であったが、今はメール、SNSなど間接的な対話手段が増える事で「一方通行」で終わりがち

➡自分が考えるコミュニケーションの常識が通じなくなってきており、伝達不足、理解不足が生まれやすくなっている。

❹オンライン対話の限界

対話時間が決められているので有効な「無駄話」が出来ず、心理的な距離が縮まらない

本音が読めない

➡仕事のやりと入りで終わってしまう。部下の心理がわからない。

❺指示待ちの常套化

部下自ら近寄ってこない、言われたことはやるが、言われるまで動かない

➡考える力がないわけでいが、自己防衛意識が強固であるため、言われたことをやれば安全という感覚を持っている。


では、このように障害の要因が沢山ある中で           どのようにして「コミュニケーションの生産性」を        上げて行けば良いのか?

という事ですが、

まず、部下世代の気質を読み取る必要があります。

ステレオタイプな決めつけは危険ですが、

一般的に20代を中心とした「若者世代」は、

「用心深く、デバイスを介してのコミュニケーションに慣れているので本当の意味で人間関係を築くという事に対する経験値が低い」

という特徴があるという事です。

もっと言うと彼らが考えている「人間関係」に対する認識が

上司の考えるものと違うと言う事かもしれません。



なので、こちらの常識や経験を元に

部下との関わり方を考えてゆくのではなく、



相手を振り向かせるような関わり方を「焦らず、腰を据えて」

行ってゆく必要があります。

■部下との関係性強化に向けたステップ

世代による意識の変化はあっても

同じ人間である以上、
人間が持つ根本的な欲求に変わりはありません。

関係性の強化を考える上で
大きな影響を与えるであろう欲求は
「帰属認知欲求」と言うものです。

この欲求は「自分を見て欲しい」「気に掛けて欲しい」

と言う欲求で


人間が持つ欲求の中でも最も強烈な欲求と言っても

良いかもしれません。



この欲求を踏まえた上で

❶認める

❷繋がる

❸本音で対話する

と言うステップを踏む必要があります。


特に❶の「認める」はより「丁寧さ」が求められます。

「昔はそんなこと考えなくて良かったのに」「面倒くさいなぁ」と

思われるかもしれませんが、

経験上、「面倒くさい」「やりたくない」と思う所に

「真理」が隠れているものですし、

一見遠回りに見えても

私は、現在これが一番の近道であると思っています。


では、何を、どうやって認めるのかという事ですが、

「認める」にも3つの段階があります。

・存在を認める

・行動を認める

・成果・成長を認める

です。

この「認める」についてはまた、お話したいと思います。